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【第36回】不動産担保ローンの審査内容は?重視される項目と審査落ちした場合の対処法

2021年07月12日
不動産担保ローンの審査内容は?重視される項目と審査落ちした場合の対処法
不動産担保ローンは、不動産を担保にしてお金を借りるサービスです。まとまった金額を低金利で長期間借りられる点が特徴で、さまざまな用途に広く利用されています。とはいえ、審査が不安で申込みをためらっている人もいるでしょう。この記事では、不動産担保ローンの審査で重視される内容や審査落ちしやすい人の特徴、審査落ちした場合の対処法を解説します。不動産担保ローンの審査対策をしたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.不動産担保ローンはどういう商品?

不動産担保ローンは審査に通らなければ利用できません。はじめに、審査の特徴について解説します。

1-1.不動産担保ローンの特徴とは

不動産担保ローンとは、不動産を担保に融資を受ける有担保ローンの一種です。カードローンやフリーローンなどの無担保ローンよりも高額なお金を比較的低金利で借りられます。1億円以上を借り入れできる商品も少なくありません。個人向けサービスと法人・個人事業主向けサービスの2種類があります。

返済期間が比較的長く、毎月の返済負担を抑えやすい点も不動産担保ローンの魅力です。基本的にお金の使い道は自由で、法人・個人事業主向けサービスなら事業用資金に充てられます。自分が所有する不動産だけでなく、家族や親族名義の不動産を担保にできる点も特徴です。住宅ローンの残債があっても利用できる商品もあり、がん保障や団体信用生命保険がついたサービスも増えています。

ただし、不動産担保ローンは審査に時間がかかります。担保の価値を正確に評価する必要があるためです。契約時に登記費用や印紙税、事務手数料、保証料などの比較的高額な費用が発生する点にも注意しましょう。不動産担保ローンは、まとまったお金を長期間借りる際には便利ですが、少額を短期間借りたい人には向きません。

ローンの返済が困難になると金融機関は担保を売却して資金を回収するため、不動産を失います。売却してもローンを完済できないと借金だけが残る事態にもなりかねません。不動産が家族名義だった場合は、家族にも大きな影響が及びます。

1-2.不動産担保ローンの審査は通りやすい?

担保が必要な不動産担保ローンは、無担保ローンよりも審査に通りやすいといわれています。ただし、どんな人でも審査に通るわけではありません。無担保ローンの審査では、申込者の返済能力がもっとも重視されます。一方、不動産担保ローンでは申込者の返済能力のみではなく、不動産の価値も厳しくチェックされます。審査の自動化が進む無担保ローンに比べると人的審査の比重が高く、最終的な契約は対面で実施されるケースが一般的です。

金融機関ごとに審査基準が大きく異なる点にも留意しましょう。金利の高いノンバンク系なら比較的審査に通りやすいものの、金利の低い銀行系は審査のハードルが高めです。

2.個人向け不動産担保ローンの審査基準

不動産担保ローンの審査基準は、各金融機関で異なります。個人向け不動産担保ローンの審査で主に重視されるポイントは「申込者」と「不動産」の2点です。

2-1.「申込者」に対する審査で重視される項目

申込者に対する審査では、返済能力の有無がチェックされます。収入、返済比率、信用情報の3つは、特に重要な項目です。それぞれ詳しく解説します。

2-1-1.1.収入

不動産担保ローンは返済期間が長期にわたるケースが多いため、最後まできちんと返済できる「安定した収入」があるかどうかを審査します。

もっとも重視されるポイントは安定性です。年収が高くても月ごとの差が大きいと審査に悪影響を与えます。安定性に関わる勤務先の規模や勤続年数、雇用形態、完済時の年齢も重要なチェックポイントです。

2-1-2.2.返済比率(返済負担率)

返済比率(返済負担率)とは、年収に占める「借り入れの年間返済総額」の割合です。

  • 返済比率(返済負担率)=「借り入れの年間返済総額」÷年収

「借り入れの年間返済総額」には、不動産担保ローンのみではなく利用中の借り入れがすべて含まれます。たとえば、年収が600万円で年間120万円の返済をしている人の返済比率(返済負担率)は20%です。

ローン審査では、返済比率(返済負担率)が低いほど返済能力に余裕があると判断されます。返済比率(返済負担率)が30%以下なら審査通過の可能性が高く、50%を超えると通常審査には通りません。

2-1-3.3.信用情報

信用情報とは、クレジットカードやローン、公共料金の申込みや利用の履歴、返済状況、年収などが記載された個人の情報です。不動産担保ローンの審査では、信用情報が必ずチェックされます。信用できない人にお金を貸すと返してもらえない可能性があるためです。返済遅延などのトラブルが信用情報に記録されていると、高い確率で審査に落ちます。

日本で信用情報を扱っている機関は以下の3つです。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC):クレジット会社、信販会社、消費者金融など
  • 日本信用情報機構(JICC):消費者金融、信販会社、ネット銀行など
  • 全国銀行協会(JBA):主に銀行

信用情報機関は相互に情報をやり取りしているため、審査を有利にするための虚偽申告は通用しません。信用情報は最低でも5年間保存され、古い情報から消去されます。情報開示請求をすれば、誰でも自分の情報を確認できます。信用情報が知りたい人は、過去に利用した金融機関が加盟する信用情報機関に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

2-2.「不動産」に対する審査で重視される項目

不動産の審査で重視される項目は「土地の価値」と「建物の価値」の2点です。それぞれ詳しく解説します。

2-2-1.1.土地の価値

土地の価値は、下記のような指標を用いて各金融機関が独自の方法で計算します。

  • 公示地価:法律に基づいて国土交通省が公表する地価の指標
  • 基準地価:都道府県が公表する基準地の地価
  • 路線価:国税庁が公表する相続税・贈与税の評価額
  • 固定資産税評価額:市区町村が公表する固定資産税の基準になる地価
  • 実勢価格:実際に市場で取引される価格

金融機関によっても重視する項目は異なり、計算方法も一様ではありません。リスクを下げるため、算出した価値に6割~8割程度の掛け目をかけて低めに評価するケースが一般的です。

2-2-2.2.建物の価値

建物の価値は、下記の計算式で算出します。

  • 建物の価値=再調達価格×(残存年数÷法定耐用年数)

再調達価格とは、その建物を再度建てる際に必要な費用です。金融機関が建物構造ごとに定めた1平方メートルあたりの建築単価に床面積をかけて求めます。

耐用年数とは、減価償却資産を使用できる期間です。法律で定めた耐用年数を法定耐用年数、耐用年数から経過年数を差し引いた年数を残存年数といいます。鉄筋コンクリート造住宅の法定耐用年数は47年、木造住宅は22年です。たとえば、再調達価格が4,400万円、築10年の木造住宅の価値は、4,400万円×(12年÷22年)=2,400万円です。

土地と同様に建物も、計算した価値よりも低めに評価されます。ただし、法定耐用年数を超えた建物は価値が0となるため担保にできません。この場合は、土地のみで不動産を評価します。土地と建物の価値を評価した結果、「返済ができなくなった時に担保を処分しても資金を回収できない」と金融機関が判断すると審査落ちします。

3.不動産担保ローンで審査落ちする人の特徴

上記で解説した審査の重要項目を満たしていない人は、審査落ちの可能性が高いでしょう。さらに、下記のような場合にも審査で落ちることがあります。

不動産が営業エリア外にある

不動産担保ローンでは、担保とする不動産の所在地を営業エリア内に限定しているケースが少なくありません。申込条件を満たさないと審査前に弾かれてしまうため、あらかじめ対象エリアを確認しておきましょう。

書類に不備がある

不動産担保ローンの特徴として提出書類が多い点が挙げられます。書類に不備があると追加提出や再提出を求められるケースが一般的ですが、審査落ちの原因になる可能性も皆無ではありません。

固定資産税を滞納している

担保になる不動産の固定資産税を滞納していると、審査落ちする場合があります。不動産を売却する際に税金が優先的に徴収されて、金融機関が回収できる資金が減るためです。

住宅ローンの残債が多い

住宅ローン未完済でも利用できる不動産担保ローンはあります。ただし、残債が不動産の価値を上回っていると審査通過は困難です。

不動産を売却できる見込みがない

下記のような不動産は売却できない可能性が高いため、通常は審査に通りません。

  • 建ぺい率・容積率に問題がある
  • 違法に増築した
  • 既存不適格建築物(建築時は合法だったが、法改正で不適格となった)
  • 再建築不可物件(法律上、建物を壊すと新たに建築できない)

申込者の信用度に問題がある

同時に複数の不動産担保ローンに申込んだり、短期間に申込みを繰り返したりすると、お金に困っている人物だとみなされて審査で不利になります。虚偽申告も審査落ちの原因のひとつです。

4.不動産担保ローンの審査に通らない場合はどうする?

不動産担保ローンの審査に落ちた場合は、下記のような方法を検討しましょう。

ほかの金融機関に申込む

不動産担保ローンの審査基準は金融機関によって大きく異なるため、ほかの金融機関なら審査に通る可能性があります。ただし、むやみに申込めばいいというわけではありません。各金融機関の申込条件や評判などをチェックして、通過の可能性がある金融機関に申込みましょう。ノンバンク系を選ぶ、使っていないカードローンやクレジットカードを解約する、借入希望額を下げるなどの工夫も有効です。

ほかのサービスを利用する

不動産に担保価値がない場合は、無担保で借りられるカードローンやビジネスローン、公的融資を利用しましょう。特に、少額を借りる場合は契約時に高額な費用がかからない無担保ローンのほうが便利です。

まとまったお金が必要な場合は、不動産を売却する、リースバックやリバースモーゲージを利用するなどの方法も選択肢に入ってきます。リースバックとは、自宅を買い取ってもらい、家賃を支払ってそのまま住み続ける方法です。リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受け、契約者の死亡時に自宅を売却して完済するローンです。いずれの方法も家族や親族に影響を及ぼす可能性が高いため、相談や合意は欠かせません。

住宅ローンの返済中は自宅を第三者に貸し出せませんが、不動産担保ローンなら賃貸が可能です。たとえば、自宅を担保にしてお金を借り、さらに人に貸して家賃収入を得るといった使い方ができます。不動産の価値が高いなら不動産担保ローンを利用できる可能性があるため、諦めずに対策を講じてチャレンジしてみてください。

内容を理解しておけば不動産担保ローンの審査は怖くない!

不動産担保ローンでは申込者の返済能力と不動産の両方が審査されるため、ハードルが高いと思う人もいるでしょう。ただし、重視されるポイントを理解して対策を講じれば、過剰に怖がる必要はありません。工夫次第で審査通過の可能性を高められる場合もあります。今回紹介したポイントを参考にして、自分に合った不動産担保ローンに申込んでみてはいかがでしょうか。

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