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【第33回】資金調達に役立つビジネスローンとは?審査のコツやおすすめ商品をご紹介

2021年06月21日
資金調達に役立つビジネスローンとは?審査のコツやおすすめ商品をご紹介
事業を営むためには、適切な額の資金を準備する必要があります。資金の調達方法にはいくつか種類がありますが、ビジネスローンを利用するのも1つの方法です。しかし、ビジネスローンは金融機関からお金を借りる契約なので、事業に利用する場合は正しい理解が不可欠です。本記事では、ビジネスローンの概要や利用条件を踏まえてメリットや注意点、おすすめのビジネスローンなどを紹介します。

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    1.ビジネスローンとはどのような商品?

    まずは、ビジネスローンの特徴や利用方法について解説します。この章では、ビジネスローンの基本的な内容を押さえておきましょう。

    1-1.ビジネスローンの特徴

    そもそもビジネスローンとは、法人や個人事業主を対象にしたローン商品を指します。そのため、自分で事業を営んでいないサラリーマンなどはビジネスローンを利用できません。一般的なカードローンは資金使途が限定されていることが少ないですが、ビジネスローンにおいては事業目的のみの使用に限られます。例えば、運転資金や設備投資のためのお金が必要な場合は、ビジネスローンを利用できる可能性があります。借入方法は、大きく2種類です。

    1つは、借入限度額の範囲内であれば何度でも繰り返しお金を借りて返済できる方法です。もう1つの方法は、資金を一括で借りて毎月少しずつ支払って完済を目指します。なお、ビジネスローンは銀行のプロパー融資などと比べると、金利が高めに設定されています。金利が高いと返済総額が高くなりやすいので注意が必要です。

    1-2.ビジネスローンの利用の流れ

    ビジネスローンを利用する場合は、まず、商品を取り扱っている金融機関を探します。具体的には、都市銀行や地方銀行、ノンバンク、信販会社などでビジネスローンが用意されていることが多いです。取り扱い先によって申込み方法は異なりますが、店頭もしくはインターネットで申込み手続きを進める場合がほとんどです。会社名(個人名)や住所、借入希望額などの必要情報を元に申込みが完了すると、これらの情報を元に仮審査が行われます。

    仮審査に無事通過すれば、ビジネスローンの契約手続きが可能です。ビジネスローンの契約では、事業計画書や納税証明書、本人確認書類、決算書などの提出が求められます。必要書類をざっと挙げただけでもこれだけの種類があるので、あらかじめ準備しておくと手続きがスムーズに進むでしょう。なお、契約に必要な書類はビジネスローンの取り扱い先によって異なるので、利用する金融機関が決まれば早めに確認しておくと安心です。

    2.契約前に押さえておきたいビジネスローンのメリットと注意点

    次に、ビジネスローンを利用するメリットや注意点を解説します。ビジネスローンをうまく活用するためにも、契約前にこれから紹介する内容にきちんと目を通しておきましょう。

    2-1.ビジネスローンのメリット

    ビジネスローンのメリットの1つとして、一般的なローンと比べると手元にお金がくるまでの期間が短いことが挙げられます。銀行のプロパー融資や公的融資は借り入れまでに数カ月かかることがほとんどです。一方、ビジネスローンは審査にスコアリングシステムを採用しているため、申込み手続きをした日から1週間程度で資金を用意できます。また、担保や保証人がいらないビジネスローンも多いので、資産に不動産を持っていない個人事業主でも利用しやすいのが特徴です。ビジネスローンは、一般的な融資を受けるのが難しい中小企業向けに登場したローン商品だと言われています。そのため、ほかのローンよりも比較的審査に通りやすいメリットもあります。

    「事業用の資金が必要なのに、銀行のプロパー融資の審査に落ちてしまった」という場合は、解決策の1つとしてビジネスローンの利用を検討すると良いでしょう。その他、カードローンタイプのビジネスローンを契約すれば、利用限度額の範囲内で何度でも繰り返し借り入れができるのもポイントです。すぐにまとまった金額を用意したいケースが多い場合や、都合が良いときにいつでも利用できるローンを探している人には、ビジネスローンの利用が適しているといえます。

    2-2.ビジネスローンの注意点

    前述したように、ビジネスローンは一般的なローンよりも比較的審査に通りやすいです。しかし、その分、金利が割高に設定されています。金利が高いと、返済総額が高額になりやすいので注意が必要です。借入金額が多い(多くなることが予想される)場合や返済期間が長い(長くなる予定)場合は、ビジネスローンの利用を慎重に検討したほうが良いでしょう。また、ビジネスローンは銀行のプロパー融資や公的融資と比べると、借入限度額が少なめです。したがって、高額な借り入れを考えている場合は、希望する金額を調達できない可能性があるので、借入条件をよく確認することが大切です。

    その他、ノンバンクのビジネスローンを利用すると、審査担当者に「銀行や公的融資を受けられなかったのではないか」と判断されるケースもめずらしくありません。ビジネスローンの利用後に、別会社でのローン契約を検討している場合はその際の審査に悪影響を及ぼすリスクがあります。将来に予定される借り入れの不安を払拭したいなら、ノンバンク以外で取り扱われているビジネスローンを利用するのも1つの方法です。

    3.ビジネスローンの審査は必ず通る?

    先に少し触れましたが、ビジネスローンは一般的なローンと比べて金利が高いです。利用者からすると返済総額が増えるデメリットとして捉えられることが多いですが、金融機関としては将来、貸し倒れになるリスクを軽減できます。したがって、ビジネスローンの審査は、比較的通りやすい特徴があると言われています。ただし、ビジネスローンに申込んだすべての人が審査に通るわけではありません。例えば、過去にローンやクレジットカードなどの支払いを滞納したり、債務整理などの履歴があったりする場合は、ビジネスローンの審査に落ちる原因になります。その他、長期的に赤字決算が続いていたり、期限までに納税していなかったりする場合も、審査に落ちやすくなるので注意が必要です。

    ビジネスローンに申込むときは、「利用する金融機関所定の利用条件を満たしているか」「2期以上の業歴があるか」「事業状況に問題はないか」などを今一度確認しましょう。いずれも、ビジネスローンの審査において重要視されるポイントです。なお、審査に落ちるかもしれないという不安から、一度に複数のビジネスローンに申込む人がいますが、この方法は避けてください。なぜなら、同時期に複数社の審査を受けると、各金融機関の審査担当者から返済能力などを警戒され、これが原因で審査に落ちるリスクがあるからです。審査が不安な気持ちは分かりますが、少しでも通過する可能性を上げるためにも、ビジネスローンの申込みは1社に抑えましょう。

    4.ビジネスローンの審査に落ちた場合の対処法

    ビジネスローンの審査に落ちてしまうと、「どのようにして資金を調達すれば良いのか」と困ってしまう人もいるでしょう。しかし、1つのビジネスローンの審査に通過できなかっただけで、別の金融機関が取り扱うローンであれば問題なく利用できるケースもめずらしくありません。ただし、安易に他社へ申込むのではなく、時間をとって審査に落ちた理由を検証することが大切です。次のローン審査に通過する確率を上げるためには、問題に対してきちんと対策する必要があります。

    また、ノンバンク系の利用を考えたり、赤字決済でも利用しやすいローンを探したりなど、審査に比較的通りやすいところを選択するのも1つの方法です。その他、ファクタリングを活用する手段もあります。ファクタリングとは、売掛金を売却することで、現金を手に入れる方法です。ビジネスローンと違って、入手した資金を返済しなくて良いのがファクタリングのメリットと言えるでしょう。他社のビジネスローンやファクタリングの利用が難しい場合は、国や自治体が提供する事業者向けの助成金を検討するなどの対応を検討すると良いでしょう。

    5.ビジネスローンのおすすめ3選

    ビジネスローンはいろいろな金融機関で取り扱われていますが、この章では特に人気があるビジネスローンを3つ紹介します。それぞれの商品の特徴を詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

    5-1.アイフルビジネスファイナンス「事業者ローン」

    アイフルはビジネスローンとして、アイフルビジネスファイナンスの「事業者ローン」を取り扱っています。金利は利用限度額ごとに幅が決められていて、100万円未満の場合は13.0%~18.0%、100万円以上だと3.1%~15.0%になります。原則、担保や保証人が不要で、事務手数料もかかりません。また、ビジネスローンの申込みから借り入れまでの手続きをすべてWebで完結できるのもアイフルの事業者ローンの特徴です。即日融資にも対応しており、利用限度額は1000万円です。借り入れにかかるコストや手間をできるだけ抑えたい人に適したビジネスローンと言えるでしょう。

    5-2.プロミス「自営者カードローン」

    プロミスではビジネスローンとして「自営者カードローン」が取り扱われています。金利は6.3%~17.8%で審査によって適用される金利が決定されます。アイフル同様、担保や保証人は不要ですが、借入限度額は300万円までと少なめです。返済期間は最長6年9カ月と長めなので、毎月の返済額を抑えたい人に向いているでしょう。なお、プロミスの自営者カードローンの資金使途は、事業用途だけではなく、プライベートに使っても問題ありません。即日融資も可能なので、必要な資金額がそれほど大きくなく、幅広い資金使途に対応したローンを探している人はプロミスでの利用を検討すると良いでしょう。

    5-3.セゾンファンデックス「不動産担保ローン」

    不動産を持っている場合は、セゾンファンデックスの「不動産担保ローン」を活用する方法があります。不動産を担保として設定するため、金利が割安で2.65%~9.9%になっています。利用限度額も100万円~3億円と、かなり高額になっているのが特徴です。返済期間も最長25年と長いので、毎月の返済額が負担になりにくいでしょう。業歴が短かったり、赤字決算をしていたりする法人への融資実績が多いのもポイントです。何らかの理由で銀行融資を受けるのが難しい場合は、担保余力も重視しているセゾンファンデックスの不動産担保ローンの利用を検討すると良いでしょう。

    ※2021年5月17日時点の情報を記載しています。

    注意点も押さえて最適なビジネスローンを選ぼう!

    ビジネスローンは、事業資金を調達する際に利用できます。銀行のプロパー融資や公的融資などの一般的な借り入れと比べると、比較的審査に通りやすく、手元にお金が来るまでの期間が短いので利便性が高い特徴があります。ただし、お金を借りる契約なので、計画的な利用が大切です。ビジネスローンを利用するときは、金利や返済期間、借入限度額などを細かく比較・検討して事業に活かしてください。

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    ライター紹介

    氏名:
    丸岡日向子
    保有資格:
    FP3級、日商簿記2級、銀行業務検定各種
    主なキャリア:
    地方銀行での勤務、税理士事務所での勤務の後、フリーランスのライターとして起業。

    ビジネスローンに関するよくある質問

    ここからはビジネスローンについてよくある質問について、その回答と合わせて紹介します。

    ビジネスローンの金利相場はどのくらい?
    ビジネスローンには担保を必要としない無担保型と担保を必要とする有担保型があります。金利相場は1%~18%と幅があります。また、有担保型のビジネスローンは担保がある分、無担保型に比べて金利は低く設定されている傾向です。
    ビジネスローンの審査基準とは?
    ビジネスローンの審査基準は各金融機関によって異なり、独自のスコアリングシステムによる自動審査が行われています。具体的な審査基準自体は開示はされていませんが、一般的な審査項目としては会社の決算情報、信用情報、事業の活動状況などになります。
    ビジネスローンの返済方法は?
    返済方法としては、3つのタイプがあります。元利均等返済は返済額が一定のため、返済計画が立てやすくなります。元金均等返済は返済額は返済が進むにつれて少なくなっていきます。残高スライドリボルビング返済は元金と利息をあわせた毎月の返済額を、借入開始時の利用残高に応じて変動させて返済できます。
    ビジネスローンでお金を借りるまでの流れは?
    ビジネスローンの借り入れまでの流れは、①金融機関での申込み、②仮審査、③必要書類を提出し本審査、④契約、融資実行となります。審査結果によって、借入可能額の上限が決まるため、必ずしも希望額が借り入れできるわけではありません。
    ビジネスローンを利用するには保証人が必要?
    ビジネスローンは基本的に担保や保証人を必要としません。ただし、法人の場合は返済が滞ることを防ぐために原則契約者(代表者)が連帯保証人になる必要があります。借入先の金融機関に確認したうえで借り入れを検討するとよいでしょう。
    ビジネスローンの借り入れまでの日数はどのくらい?
    ビジネスローンの借り入れまでの日数は金融機関の種類によっても異なり、中には最短即日融資可能なものもありますが、多くは1週間~2週間程度で借り入れすることができます。特にノンバンクのビジネスローンはスコアリングシステムを利用した自動審査を採用しているため短期間での借り入れができます。

    ライター紹介

    氏名
    丸岡 日向子(まるおか ひなこ)
    主なキャリア
    地方銀行で1年強勤務した後、税理士事務所で1年弱働く。その後、フリーランスのライターとして起業する。 銀行業務検定やFP3級、日商簿記検定2級などの資格で得た知識を最大限に生かしながら、金融系の記事を中心に日々執筆活動に励む。
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