【第34回】ビジネスローンの審査は必ず通る?押さえておきたい4つの審査基準とは
2021年06月28日
ビジネスローンは、スピーディーな資金調達方法として事業者に人気があります。しかし、借り入れである以上は審査があり、誰でも利用できるとは限りません。なかには「審査に通過できるだろうか」と不安を感じている経営者や個人事業主もいるでしょう。本記事では、ビジネスローンの基礎知識を解説します。審査で重視される内容やビジネスローンの選び方もあわせて確認できる内容です。
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1.ビジネスローンはどのような商品?
まずは、ビジネスローンの基本的な情報を確認しましょう。ほかのローンにはない特徴や審査時間について、詳しく解説します。自分の事業にビジネスローンの利用が適しているか考えながら、読み進めてください。1-1.ビジネスローンの特徴
そもそもビジネスローンとは、法人の経営者や個人事業者だけが利用できる事業資金調達用のローンのことを指します。一般的にビジネスローンは、担保の有無によって無担保ローンと有担保ローンの2つに分けられます。しかし、実際は担保なしで利用できる無担保のビジネスローンが利用されるケースが多いです。借り入れの方法も、大きく2種類あります。1つは、ビジネスローンで借りるお金をまとめて借り入れて、毎月少しずつ返済する方法です。 もう1つは、あらかじめ設定された借入限度額の範囲内で自由に借り入れ、返済をする方法です。この場合は、お金を借りたり返したりを繰り返します。また、銀行のプロパー融資や公的融資と比較すると、ビジネスローンはお金が手元に来るまでにかかる時間が短い特徴があります。そのため、素早く資金繰りを調整したい場合は、ビジネスローンを活用すると便利でしょう。一方で、銀行のプロパー融資や公的融資と比べると金利が少し高めで、融資額も少ないなどの注意点もあります。1-2.ビジネスローンの審査時間
ビジネスローンの契約先は、銀行系とノンバンク系の2つに大きく分けられます。いずれもビジネスローンを契約する前に審査が実施され、各金融機関が設定する条件を満たしていることを確認されます。審査に問題なければ、ビジネスローンを利用できる仕組みです。銀行系のビジネスローンはノンバンク系に比べると融資額が大きく、金利が低めに設定されているのが特徴です。 一方で、審査は非常に慎重に行われるため、結果が出るまでの期間がノンバンク系よりも長めになっています。審査時間の目安は、既存の取引先で1週間、新規申込みだと2週間ほどです。ノンバンク系のビジネスローンは銀行系よりも融資額が少なく、金利が高めです。しかし、スピーディーに審査が行われるメリットがあります。具体的な審査時間は契約先や申込み状況によって異なりますが、最短即日~1週間で結果がわかるところも多いです。素早く資金を調達する必要がある場合は、審査時間の短さを謳っている金融機関を検討すると良いでしょう。2.ビジネスローンの審査に関する注意点
前述の通り、ビジネスローンを利用する場合は審査に通らなくてはいけません。この章では、ビジネスローンの審査に関する重要な注意点を2つ解説します。利用前に確認しておけば、デメリットを抑えてビジネスローンを利用できる可能性があります。2-1.ビジネスローンの審査は必ず通るわけではない
「ビジネスローンは、ほかのローンよりも審査が甘い」という印象を持っている人もいるでしょう。たしかに、ビジネスローンは審査が柔軟に行われる特徴がありますが、だからと言って申込みをした人が全員通過できるわけではありません。「この金融機関のビジネスローンの審査が甘い」などの紹介はできませんが、一般的には銀行系よりもノンバンク系のほうが比較的通りやすいと言われています。 また、個人向けのカードローンを中心に扱う金融機関よりも、ビジネスローンを専門に取り扱う金融機関のほうが審査に比較的通りやすいという指摘もあります。いずれにしても、審査基準は各金融機関で異なり、申込んだからと言って必ずビジネスローンを利用できるわけではないことを心得ておきましょう。2-2.個人事業主はビジネスローンの審査に通りにくい
ビジネスローンは法人だけでなく、個人事業主も申込めるローン商品です。しかし、実際には個人事業主であることが要因となって、審査に通らないことも多いです。この理由は、個人事業主は返済能力を警戒されやすい点にあります。個人事業主は、法人と比較すると取引先の数や額が少なく、実際にはそうでなくても組織としての安定性が低いと判断されやすいです。 また、正確な所得を把握しにくいなどの理由で、ビジネスローンの審査に通過できないことも考えられます。ただし、個人事業主は絶対にビジネスローンを利用できないわけではありません。事実に基づいて確定申告を行ったり、普段からお金の借りすぎを控えたりするなどの工夫をすることで、問題なく審査に通過する可能性もあります。個人事業主向けのビジネスローンを取り扱っている金融機関も存在します。申込み前にいろいろなローン商品に目を向けるのもひとつの方法です。3.ビジネスローンの主な審査基準4選
ビジネスローンの審査に通過できるか否かは、各金融機関の基準によって異なります。しかし、審査で重視される基準は申込み先の金融機関が異なっていてもある程度共通しています。ビジネスローンの審査通過を目指すなら、これから解説する基準に注意することが大切です。ビジネスローンの審査における主な基準を4つ確認し、適切な対策をとりましょう。3-1.その1.決算内容に問題はないか
ビジネスローンを取り扱っている金融機関は、融資したお金を回収しなければ利益を得られません。そのため、審査を実施して申込者に相応の返済能力があるか判断する必要があります。このときにチェックされるのが、決算内容です。具体的には「事業に利益が出ているか」「負債や欠損金が多くないか」「売上に安定性はあるか」などを確認されます。 決算内容から得られるさまざまな情報をもとに、申込者の返済能力を適正に判断するわけです。なお、どの決算数値を重視するかは金融機関によって異なります。加えて、その審査基準は一般に公開されていません。しかし、いずれかの項目の数値に問題があると判断された場合は、ビジネスローンの審査に通らない可能性が高いです。資金が必要になるタイミングを調整できる場合は、決算内容が良い状態でビジネスローンの申込みを検討すると良いでしょう。3-2.その2.信用情報に問題はないか
ビジネスローンの審査基準として、信用情報も重要な項目です。信用情報とは、個人情報や収入、過去の借り入れやクレジットカードの利用・返済状況などに関する情報です。経営者や個人事業主の金融関連の情報を記録したものが信用情報と呼ばれ、ビジネスローンなどのローン商品に申込むと必ず審査で確認されます。審査担当者に「信用情報に問題がある」と判断された場合は、ビジネスローンを利用できない可能性が高いです。信用情報における問題の例としては「過去に滞納したことがある」「すでに他社から借り入れをしている」などがあります。審査に通過する可能性を上げるためにも、信用情報が消えたタイミングでビジネスローンに申込んだり、申込み前に他社からの借り入れを完済したりするなどの対策を取ると良いでしょう。3-3.その3.税金は正しく納めているか
ビジネスローンの審査基準として、税金を正しく納めていることも確認されます。仮に税金の滞納があった場合、金融機関はビジネスローンの貸し倒れのリスクが高いと判断します。なぜなら、倒産時などは融資よりも税金が優先的に回収される仕組みになっているからです。また、税金が未納状態であるということは、事業の経営状態が悪いと判断されるケースも多いです。金融機関は貸し倒れのリスクを避けるべく、ビジネスローンの審査で申込者が「毎年きちんと税金の申告・納付を済ませているか」を必ずチェックします。ビジネスローンの審査を受ける前に、税金の支払い忘れがないか確認しておくと安心です。3-4.その4.事業歴はあるか
ビジネスローンの審査では、前述の通り、返済能力を確認するために決算書をチェックされます。このときに、確実性を高めるために2期分以上の決算書を提出しなければならないことが多いです。事業を始めてある程度の年数が経っている場合は何も心配ありませんが、事業年度が浅い場合は、複数の決算書を提出できないケースもあるでしょう。そもそも、事業歴が短いと審査に通らない可能性もあります。ただし、金融機関によって求める事業歴は異なるため、事業歴が短い場合はあらかじめ担当者に確認しておくと安心です。事業歴が短い場合は決算書が少なくて済むメリットがあるとも考えられるので、そこまで重く考えなくても良いかもしれません。4.ビジネスローンの選び方
ビジネスローンは、銀行系やノンバンク系、さらに会社ごとによっても金利や審査基準、サービス内容が大きく異なります。そのため、自分に合うビジネスローンをしっかり見極めることが大切です。借入限度額の上限もビジネスローンによって違うため、まずは事業に必要な資金を明確にしておきましょう。そのうえで、希望金額を満たせるビジネスローンを選択する必要があります。ただし、実際の借入限度額は審査によって決定されます。多額な借り入れを希望していても、審査結果によっては必要な金額が借りられないケースもあるため注意してください。 また、審査にかかる時間も金融機関ごとに大きく変わります。したがって、ビジネスローンによって得られる資金が必要なタイミングから逆算して、適したものを選ばなければいけません。そのほか、金利もビジネスローンを選ぶうえで重要な項目です。金利が高ければ、その分だけ返済総額が上がってしまいます。金銭的な負担をできるだけ抑えるためにも、金利が低いビジネスローンを選ぶのが賢明でしょう。前述の通り、ビジネスローンは銀行のプロパー融資・公的融資と比べて、もともとの金利水準が高い特徴があります。多額の借り入れを検討している場合は、特に金利の注意が必要です。審査の特徴を理解して自社に合うビジネスローンに申込もう!
ビジネスローンは、銀行のプロパー融資や公的融資などよりも、比較的審査に通りやすい特徴があります。しかし、審査が行われるため、申込んだ人が全員利用できるわけではありません。したがって、今回紹介した審査基準やローンの選び方を理解し、対策をとることが重要です。自社に合うビジネスローンを見極め、計画的に賢く活用しましょう。- 金利ランキング
ライター紹介
- 氏名:
- 丸岡日向子
- 保有資格:
- FP3級、日商簿記2級、銀行業務検定各種
- 主なキャリア:
- 地方銀行での勤務、税理士事務所での勤務の後、 フリーランスのライターとして起業。
ビジネスローンに関するよくある質問
ここからはビジネスローンについてよくある質問について、その回答と合わせて紹介します。
- ビジネスローンの金利相場はどのくらい?
- ビジネスローンには担保を必要としない無担保型と担保を必要とする有担保型があります。金利相場は1%~18%と幅があります。また、有担保型のビジネスローンは担保がある分、無担保型に比べて金利は低く設定されている傾向です。
- ビジネスローンの審査基準とは?
- ビジネスローンの審査基準は各金融機関によって異なり、独自のスコアリングシステムによる自動審査が行われています。具体的な審査基準自体は開示はされていませんが、一般的な審査項目としては会社の決算情報、信用情報、事業の活動状況などになります。
- ビジネスローンの返済方法は?
- 返済方法としては、3つのタイプがあります。元利均等返済は返済額が一定のため、返済計画が立てやすくなります。元金均等返済は返済額は返済が進むにつれて少なくなっていきます。残高スライドリボルビング返済は元金と利息をあわせた毎月の返済額を、借入開始時の利用残高に応じて変動させて返済できます。
- ビジネスローンでお金を借りるまでの流れは?
- ビジネスローンの借り入れまでの流れは、①金融機関での申込み、②仮審査、③必要書類を提出し本審査、④契約、融資実行となります。審査結果によって、借入可能額の上限が決まるため、必ずしも希望額が借り入れできるわけではありません。
- ビジネスローンを利用するには保証人が必要?
- ビジネスローンは基本的に担保や保証人を必要としません。ただし、法人の場合は返済が滞ることを防ぐために原則契約者(代表者)が連帯保証人になる必要があります。借入先の金融機関に確認したうえで借り入れを検討するとよいでしょう。
- ビジネスローンの借り入れまでの日数はどのくらい?
- ビジネスローンの借り入れまでの日数は金融機関の種類によっても異なり、中には最短即日融資可能なものもありますが、多くは1週間~2週間程度で借り入れすることができます。特にノンバンクのビジネスローンはスコアリングシステムを利用した自動審査を採用しているため短期間での借り入れができます。
ライター紹介
- 氏名
- 丸岡 日向子(まるおか ひなこ)
- 主なキャリア
- 地方銀行で1年強勤務した後、税理士事務所で1年弱働く。その後、フリーランスのライターとして起業する。 銀行業務検定やFP3級、日商簿記検定2級などの資格で得た知識を最大限に生かしながら、金融系の記事を中心に日々執筆活動に励む。
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